滝谷便り no.7

 991018

月兎庵 庵主 中矢 澄子

 

「今は秋!花より団子の今日この頃」

 

お元気ですか?

暑い暑いと言っていた夏も何処かに行ってしまい、滝谷は、もうすっかり秋の佇まいに変わりました。これから一挙に冬に向かって行きます。その前に急いで春咲きの球根を植えなければいけないのに、今年の夏はヨーロッパだ、カナダだと言っては約一肢o掛けていたので、ガーデンは雑草だらけになってしまい、何処が花壇か通路かわからなくなってしまいました。

おまけに春に植えた宿根スイトピーが、やけに元気で、まるで大蛇のごとく支柱をグルグル巻きにして、それにもあき足らず、あちこち蔓を延ばしては他の花を押し倒してのさばっている始末です。

ここのところ、心を改めて草取りに専念しようと思い滝谷通いを続けていますが、中々草取りに専念できなくって困っているんです。なんたって今は収穫の秋。

 

滝谷ガーデンは野性化したミョウガが薮になり、赤紫蘇、青紫蘇は勝手に種が落ちて花畑か紫蘇畑か分からない位にワンワンと生い茂り、ミョウガなんぞは雨後のタケノコのごとくニョキニョキ出てきて、ミョウガの薮をチョイと歩けば、直ぐにバケツは満杯。始めは、赤ずきんちゃんが花摘みをしている気分でランランラン・・・てな調子でやってたんですが、さすがに毎週となると雑草取りの時間もつぶれてしまい、焦ってきてしまいました。しかし、黄色味がかった白い可憐な花を見つける度についつい手がでてしまって、溢れんばかりに詰め込んだスーパーの袋を、何袋も持って帰っては、家族に「いい加減にしたら〜」って、呆れられています。そして「ミョウガを食べ過ぎるとモノ忘れがひどくなるぞ〜」とも脅かされますが、ミョウガを食べなくっても、もう既にモノ忘れはひどくなっていますし、たとえモノ忘れがひどくなってボケてしまっても、今の世の中ボケたもん勝ちですよネ。苦労するのは家族だ!!な〜んて、悪態つきながらも感謝しない家族を尻目にせっせとミョウガ採りをして、今年は大バケツ10杯ほど採りました。このミョウガ、スーパーで売っているような痩せこけた貧素なものじゃなく、健康優良児みたいにコロッコロしているので、ミョウガの好きな人にプレゼントすると、とっても喜ばれ、普段不義理をしている分、一挙に名誉挽回できました。エッ?!まだ送られて来てないって?イヤイヤ、それは失礼いたしました。お好きだったら来年採りに来て下さい。思う存分採って行って下さい。私を助けると思って!!(旬は9月下旬〜10月上旬です)

 

世間では知られていませんが・・・。イヤ滝谷の人は奥床しいので、知らせないのでしょうが、滝谷は昔からミョウガが良く育つ所らしくて、名産なのです。

どの家も秋一番の収穫はミョウガ。塩づけ、甘酢づけ、味噌づけなどの保存食にしていますが、中でも私のお気に入りは粕づけです。酒粕と砂糖とミョウガを順々にサンドイッチにして漬け込みます。一ヶ月ほどしたら、とってもおいしい漬物になり、お酒のおつまみにピッタリ。

しかし、なぜミョウガを食べ過ぎるとモノ忘れがひどくなると言われるんでしょうね

私の持っているありとあらゆる植物の資料やインターネットでも調べたのですが、そのことに関して何も書かれていませんでした。ただ書かれていたのは、日本原産の植物であることと、ハーブの仲間に入ることだけで、薬効は書かれていませんでした。薬効が書かれていれば、こんな汚名を着ることはないのに、かわいそうなもんです。

私も子供の頃は好きな食べ物ではなかったのですが、いつしか、あの何とも言えないちょっと癖のある香りに誘われて食べるようになっていました。そして、滝谷と縁が出来てからは、色々な調理法を教えてもらいファンになってしまったので何時か名誉挽回してあげたいもんだと思いつつも、証を探し出せないでいます。

 

収穫の秋はミョウガばかりではありません。10月はクルミ、柿も収穫の季節です。滝谷ガーデンの四分の一はクルミ林。クルミ林の中のテーブルでチョイと一休みしていると、上からクルミが落ちてきては、頭を直撃しそうになります。10m以上の高さからの爆撃は下手すると命取りになり兼ねないので、蓑は着けないまでも、笠をかぶってのクルミ取りはまるで戦場の難民兵士の様。色気も何もあったもんじゃないあの人には見せられないわ!!・・・な〜んて勝手な思いを膨らませながらも、花より団子、欲の方が勝ってしまっていますが・・・ネ。

 

そして今の季節、至福のひとときは畑仕事で一汗かいた後の柿。熟した柿を食べると喉の渇きがいっぺんで潤い元気モリモリ。去年の秋も、畑の周りで食べごろの柿を探していました。ひょっと見上げた柿ノ木のてっぺんに、一匹のサルが鎮座ましましていたんです。自称フォトグラファー中矢 澄子、素早くカメラを車から取り出し、夢中でシャッターを切りました。すると、脇の茂みからゾロゾロと猿の軍団が出て来たんです。写真を撮っている場合じゃありません。スルスルと木に登ったと思ったら、木から木へ10mぐらいの大ジャンプ。こんな勢いで襲って来られては堪ったものではありません。あわってて車の中へ非難。またまた、こんな姿見せられない。そんな私の存在を知ってか知らずか、猿軍団はノーノーと私のおやつを食べて行きました。

てな訳で、収穫の秋を堪能するのも、骨の折れることです。

では、また。

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