滝谷便りno.17
00.8.26.
月兎庵
庵主 中矢 澄子
「暑お見舞い申しあげます」
またまたご無沙汰してしまいましたが、お元気ですか?
確か昨年も相当暑い日が続いたと記憶していますが、今年も引けを取らないほどの暑さが続き、さすがの私もダウンしてしまいました。帯状疱疹などと聞きなれない病に突如襲われしばらく痛い痛いと叫んでいました。湿疹が早期から出ていれば病名も早く分かり手当ても早々にして済んだのでしょうけど湿疹と言えない程の湿疹が左脇腹に三粒だけ。急性膵臓炎ではと思い、内科で精密検査までもし大騒ぎでした。「もしかして帯状疱疹じゃないの、皮膚科に行って来たら」と姉にアドバイスを受けた頃にはほとんど治る寸前。あわてて皮膚科に行くとこともなげに「ハイ、帯状疱疹ですね」って、「帯状疱疹ってどんな病気?」と言うパンフレットを差し出されてしまいました。結構ポピュラーな病気なんですね。でも、お陰で10年ぶりにゆっくりと夏休みが取れ、歯の治療にアメリカから急遽帰国した娘と遊ぶことができました。
久々に帰国した娘をさっそく自慢の月兎庵に案内したところまでは良かったのですが、8月の滝谷は避暑には適していますが奇麗な水があるぶんアブが出てきて街生活者の私達にはチョット大変な時季なのです。知らぬが仏とはよく言ったもので昨年までは何やら元気なハエがぶんぶん飛んでいるぞ。エサが良いのか環境が良いのか随分デッカイなーとしか思っていなかったのに、アブの一撃にあってからというもの「ブーン、ブーン」と聞くだけで恐れおののいて逃げ腰になってしまいます。刺されたひには、蚊なんてもんじゃありません。大きく腫れ上がりブヨと同じ位いつまでもカユイのです。しかし、小さな体で通りざまに音もなく刺して行くブヨよりは質がいいですけどね。ブンブンとものすごい羽音で威嚇してくるのでヒョイと除けてはバッシっと叩いてやれば敵はいとも簡単に墜落。でも、ここで安心してはいけません。敵もさるもの死んだふりしてこちらが油断しているとムックと起き上がり怒りを込めて反撃してきます。
この反撃がしつこくて娘はブンブンのブの字でも聞こえようには慌ててハエ叩きを探しては撃墜させようと必死で戦い挑むのですが、なにせへっぴり腰の応戦なので敵に振り回されてばかり。戦い敗れて山河あり。避暑どころではなく、次の日下山。ドラマのように親子水入らずの避暑地のワンシーンとはいかないものです。それにつけても、滝谷のばっちゃん、腕にとまったアブをひょいと摘み、次の瞬間地下足袋で踏み潰すたくましさ。またまた頭が下がります。さりげなくこんな動作が出来るのは何時のことか…。
今回は夏の寒〜いお話にならないで、かゆ〜いお話になってしまいあいすいません。
では、もうしばらくご自愛ください。